新渡戸稲造著「武士道」から学ぶ、新時代の生き方の提案
いま私たちは当時の明治維新のような大きな時代の変革期を生きている。急速な情報化、技術革新、国際化の波を受け、新しい時代が幕を開けた。
我々はどう生きるべきか、何に従えばよいのか、何が正しいのだろうか。
闇夜を照らす灯台となれる人が必要であり、現代の新渡戸稲造たる人物が一人でも多く出てきてほしいところだ。「武士道」を読み、しっかり考えていきたい。
"No religion!How do you impart moral education?"
ベルギーの著名な法学者、ラブレー氏による「日本に宗教教育がないなんて、、、あなた達はどうやって子孫に道徳教育を授けるのですか?」という問いかけを受けるところから、新渡戸稲造は武士道について考えることになる。
当時は欧米のキリスト教的世界観が急速に日本に入っていった時代。日本のアイデンティティーは何か、この国はどうあるべきかが問われていた時代だ。
新渡戸稲造はこの問いに即答はできなかったが、武士道精神や封建制によってこの国の道徳観念は出来上がっているという考えに至るのである。そしてこの世界的ベストセラーは生まれたのだ。
ここまでの流れが「武士道」という本の最初の1、2ページに書かれているのだが、ここに現代の新渡戸稲造となる上で非常に大切なことが詰まっている。
大切なことは二つ。まず第一に新渡戸稲造は世界を舞台にする国際人であったということ、そして、新渡戸稲造は敬虔なクリスチャンであったということだ。
一つ目の国際人というところだが、国際人でなければベルギーの著名な法学者と話すことなど不可能だ。ましてや当時の環境の中で外国の人と会話ができたのだから新渡戸稲造は勉強熱心だったのだろう。そして、自国のことだけに縛られるのではなく、外国のからも学び、多様な価値観を理解できなければ、日本のあり方はわからなかっただろう。国際人でなければ、現代の新渡戸稲造とは言えない。
そして二つ目、敬虔なクリスチャンであったというところだが、宗教の大切さや信仰の大切さをキリスト教から学んでいたからこそ、日本にとっての宗教や信仰について考えることができたのだ。崇高なものを求める気持ちがなければ、現代の新渡戸稲造とは言えない。
国際人として、崇高なものを求める人がいま必要だ。
- 作者: 新渡戸稲造,矢内原忠雄訳,矢内原忠雄
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1938/10/15
- メディア: 文庫
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